許容できるメカニカルシールの漏れとは

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許容される典型的な漏れ率

ほとんどの産業用途では、適切に機能するメカニカル シールの漏れ率はシール 1 個あたり 10 滴/時以下です。この少量の漏れは正常であり、シールの適切な潤滑と冷却に必要なものと考えられています。この漏れ率を超える過度の漏れは、シールの設計、取り付け、または動作条件に問題があることを示している可能性があります。

シール漏れは、一定期間内にシール面から漏れた液体を収集し、定量化することで測定されます。一般的に受け入れられている方法は、1 分あたりの滴数を測定し、それを時間あたりの速度に変換することです。1 分あたり 1 滴は、1 時間あたり約 2.5 ~ 3 ml に相当します。

API 682の許容漏れ

アメリカ石油協会 (API) 規格 682 は、石油およびガス産業における許容シール漏れのガイドラインを提供します。API 682 では、3 つのシール漏れクラスが定義されています。

  • カテゴリーIシール: 漏洩率 1日あたり500ml未満(20.8ml/時)
  • カテゴリー II シール: 漏洩量1日あたり1,000ml未満(41.7ml/時)
  • カテゴリー III シール: 漏洩量2,000ml/日未満(83.3ml/時)

これらの許容漏れ率は、厳しい動作条件と石油およびガス用途の重要な性質により、一般的な 1 時間あたり 10 滴のベンチマークよりも高くなります。

シール漏れ率に影響を与える要因

シール設計要因

  • 表面材質: プライマリリング面と嵌合リング面の材質の摩擦特性と適合性は、漏れに影響します。シリコンカーバイド同士のような硬い面の組み合わせは、クリアランスが狭くなり、漏れが少なくなる傾向があります。
  • バランス比率: バランス比の高いシール(つまり、閉じる力が大きいシール)は、漏れ率が低くなる傾向があります。ただし、これは発熱と摩耗とのバランスを取る必要があります。
  • フェイストリートメント: レーザー表面テクスチャリング (LST) やマイクロ波再表面処理などの表面処理を使用して、シール面の地形を最適化し、潤滑と漏れの制御を向上させることができます。
  • スプリングローディング: 面を固定するスプリングの力は、面の負荷と漏れ率に影響します。スプリングが強くなるほど漏れは減りますが、摩耗と発熱は増加します。

設備要因

  • シャフトスピード: シャフト速度が速いほど、遠心力と乱流が大きくなるため、シール漏れが増加する傾向があります。
  • ずれ: 過剰 シャフトのずれまたはたわみ シール面の負荷が不均一になり、漏れが増加する可能性があります。
  • 振動: 振動によりシール面がガタガタと音を立てたり、一時的に開いたりして、漏れ率が上昇する可能性があります。

操作条件

  • プレッシャー: 他の条件が同じであれば、密封圧力が高くなると漏れ率が増加する傾向があります。圧力が 2 倍になると、漏れ率も約 2 倍になります。
  • 温度: 温度が上昇すると粘度が低下し、漏れ率が高くなる可能性があります。また、高温によりエラストマーが損傷し、面が歪む可能性もあります。

流体特性

  • 粘度: 粘度が低い流体は、面間の薄い膜を通過しやすくなるため、漏れが発生しやすくなります。
  • 潤滑性: 潤滑性の悪い流体は、シール面の摩擦と摩耗を増加させ、漏れの増加につながる可能性があります。
  • 研磨性: 研磨性流体はシール面の摩耗を加速させ、面が開き、時間の経過とともに漏れが増加します。
  • ボラティリティ: 揮発性の高い流体や気体流体は、特に流体の蒸気圧に近い圧力で動作する場合、密封が難しく、漏れが大きくなりやすくなります。
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